最近の住宅においては和室が少なくなる傾向があるようですが、「吉相なる心的空間」を重視する家相学の観点からしますと、喜ばしいことではありません。
日本の住まいから和室がなくなることは、日本人の精神的風土である「和の心」が失われる結果となり、運気の低下を招く大きな要因になると考えられます。
現代住宅における和室を定義づけるならば、「和の心を持つ空間」ということになり、洋風的和室もあれば、和風的洋室も和室になると思います。
大切なことは、住まいの中に精神的な落ち着きや自然の情感的美しさを持つ空間を創出することにより、穏やかで和やかな気を住空間に配することではないかと思います。
住まいがいくら洋風化しようともそこに生活する私たちが円満に和する心を失わない限り、日本の自然や気候風土と共生の吉相の住まいが生まれ続けていくと思います。
また建築材料としての木・石・紙といった自然の素材が発する活性の気を是非、住まいづくりに役立てていただきたいと思っております。
少し極端になるかもしれませんが、家相学の進歩が木造住宅の改良発展につながり、五十年の建て替えサイクルが植林の自然循環を保護し、自然環境を守ることに貢献できるのではないかと考えます。
家相設計における和室に関する朗田意点を箇条書きにしておきます。
@和室(畳敷の部屋) の位置は、住まいの中心からみて、なるべく北、南西、西、西北方位とする。
A和室は本来家具等の物を置かないようにして使用することが理想なので、納戸等の収納スペースをよく考慮する。
B照明器具は蛍光灯を避け電球色のものにする。
特にに蛍光灯のペンダントタイプ (吊り下げ式)は天井の隅のほうまで明かりが届かず、和室の雰囲気を薄暗く陰
気にするので凶相になる可能性あり。
C四方塞がり、四方攻めの間取りは凶相となるので避ける。
D迷信的なタブーだが、畳の敷き方を床刺しにしない。(床の間の中間に畳のへりが直角にならないようにする。)
四畳半敷きの場合は半畳を東南の隅に敷く。(四畳半の部屋は五行の相性が凶といった点や切腹の間になるといっ
たことで、忌み嫌われているようです)
E建具の建て込みに気をつける。和室は引違い戸が多くなるが、二本引違いの場合は向かって右を手前にする。
(左前は凶となる)二間続きの和室の場合は、床の間のある格上の部屋に中央の二本を建て込む。
F和室は座式の生活が中心となるので、日の高さをよく考慮し、目線より低い所のデザインも大切にする。
また人が寄り掛かる壁の部分を板張りや和紙張りにすることにより趣のある和の表情が出る。
G欄間を設けることにより空間に連続性と広がり感をもたせ、気の流れがスムーズになるようにする。
なお、築年数の古い住まいの和室は、畳も古く汚れたままになっている場合が多いので、できれば新しい畳に取り替えると、停滞した気を一新することにもなり健康面にも望ましく思います。

最近では本格的な和風住宅の減少に伴い、伝統的意匠の床の間を造る人も少なくなっていますが、それでも住まいを新築し和室を設ける場合には、床の間を希望される方がまだまだ多いようです。
我々設計者にとっても、現代和風の空間の方が洋間よりも個性を演出しやすく、様々なデザインの可能性を秘めている床の間を住まいにおける精神的空間として創出することは、人と自然の融合と共生を促し、季節という自然芸術を和やかに鑑賞していただくことに通じるのではないかと思っております。
また床の間には住まいにおける「格式の空間」としての役割もあり、床の間の前(上座) には、普段は一家の主人が座り、来客の場合には、会社での役職が高い人や社会的地位の高い人が座るのが通例となっているように、多少封建的な側面もあります。
いずれにしても床の間を造るからには、床柱や床枢、落とし掛けといった材料の質や、床の間の形式をよく吟味し、優雅さと威厳、風趣と格式を両立させた折り目正しい空間にすることが、吉相の床の間の基本になると考えます。
床の間の種類は二百種類以上のものが伝承されているのですが、基本的には、本床・蹴込床・踏込床・洞床・袋床・緑部床・釣床・置床の八種になり、これをベースに現代感覚の様々なデザインの床の間が生まれています。
床の間には掛け軸を掛けたり、生け花や置き物を飾るわけですが、家相学的に注意していただきたい点としては、掛け軸の場合は季節に合った上品なものとし、茶道では春、長閑な和歌の懐紙、夏、涼やかな仮名書き短冊、秋、物哀を知る歌切、冬、幽玄な禅句一行もの等といった約束事もあるようです。
また、掛け軸を掛ける場合には、同じ部屋には額等を掛けないようにすることも大切な点です。
(掛け軸と額との評価に甲乙がつきやすく競い合いの波動が生まれ空間が不調和となりやすいため)生け花も掛け軸と同様に季節に合わせることが大切ですし、花と花器との調和も大変重要です。
置き物の場合は天田上方、水縁下方の原則を守ることが大切です。
床の間は東向きか南向きにし、床の間に向かい左手から明かりを取り入れることが通常の設計の基本となっていますが、吉相の床の間の条件とも合致しております。
最後になりましたが、床の間の方位別チェックの枕要を記しておきます。
北〜人間関係に恵まれ人望が得られる。
北東〜鬼門方位の床の間は凶。一家の主人や男子に難事多し。
東〜南向きにすれば吉。後継者が生まれる。
東南〜陽の気を遮断してしまい凶。特に一家の主婦や女子が派手好きとなりやすく、浪費療がつきやすい。
南〜東向きは吉。ご主人が明るく家庭的な募囲気になる。
南西〜財運を呼びやすく、主婦は世話女房になる傾向あり。
西〜結婚運に恵まれ、娘はいつまでも父親を大切にしてくれる。
西北〜主人安泰の吉相となる。
以上ですが、床柱に大きな傷がある場合には一家の主人に災難や病難があることを暗示している傾向がありますので、早めに補修してください。 |